二酸化炭素を吐き出して
東京電力は、川崎火力発電所(川崎市)で発電に使った蒸気を、近くの10工場に送る事業を始めた。発電所の効率はやや下がるが、工場のボイラーなどの運転を減らせるため、全体では省エネになる。蒸気供給網としては国内最大級という。
年間30万トンの蒸気を近くの日本触媒や旭化成ケミカルズ、昭和電工などの工場に送る。新たに6.5キロのパイプを敷き、新日本石油の配管も再利用した。工場側では蒸気をプラントでの加熱や、製品の乾燥に使う。自前で蒸気を作るより、原油にして年間1万1千キロリットルの燃料が節約でき、二酸化炭素排出量も年間2万5千トン減るという。
川崎発電所は09年2月に設備を更新。液化天然ガスを燃料にガスタービンと蒸気タービンを組み合わせ、発電効率が高いという。
うーん、そんなもんなんかなぁ?
大体、蒸気タービンの入力側は20~30MPaで復水器側は真空(蒸気のみを水に戻せば、真空だわな。)を保つように設計してあるから、その利用後の蒸気をどっか持ってったら、凄まじく発電効率は下がりそうなんだけど。
とか思いつつ見てたら、超々臨界圧ボイラとか使ってる訳じゃなくて、ガスタービンのコンバインドサイクルの発電所だからか。
排熱は回収してコンバインドサイクルで使ってた物を熱源供給元とすると。
蒸気供給量って1TWクラスの超臨界圧ボイラ(23MPa)で、大体70t/minくらいだろ?
年間30万トンってことは、0.6t/minくらいだから、10MWクラスのボイラ分のくらいか。
工場側ってそんなんで足りんのってのも疑問だし、電力需要のベース供給を臨界圧ボイラとか使ってる出力変動をさせづらい大型火力発電所・原電・地熱で維持して、昼間とかのピーク需要を水力とかガスタービン火力に振り分けるって運用してると思うんだけど、そういう運用されたら、蒸気供給量が安定しないから24時間操業の工場じゃ辛いんじゃないかなぁと思ったりするんだけど、その辺って大丈夫なのかしらん?
そういう疑問点は色々出てくるんだけど、こういうのが実現するってことは、発電所側にとっても、工場側にとってもメリットが有るんでしょうな。
ただ単に、工場側にしたら、二酸化炭素の排出権買う位だったら、熱源買った方が安い。発電所側にすれば、二酸化炭素の排出権を買うために手っ取り早く稼ぐには、電力売るより蒸気売った方が高く売れるってそれだけの理由かもしれませんが…
実際のところはどうなんだろうか?