auの懐事情
au スマートバリュー
こういうの見てるとau(つーかKDDI、多分今主導権握ってるのは昔のDDIの方)って、真っ当に通信事業者するつもりが無いんだなってよくわかるね。
通信事業者ってのは、売りって何かというと、安定(品質、回線速度、価格)した通信網が売りなのよね。
で、あくまでトラヒック捌いてナンボの世界なんだけど、auはみょーちくりんな割引サービス持ち出してきてる。
指定するプロバイダとスマートフォンを併用すると1スマートフォンあたり1480円値引きしますよと。
スマートフォン化して、大量のトラヒックが発生する。
なので、形振り構わずに、無線路のトラヒックを有線へ逃がしたいわけだ。
ゴールデンタイムのこれのTV CMの放送回数とか異常すぎる
今のauってCDMA2000なので、1基地局1セクタあたり、回線容量3.1Mbps。
これをこの基地局のセクタを利用する端末が共有してるってわけだ。
理論通り出たとして、10端末で共用してたら、1端末あたり320kbpsしか出ない。
実際理論値の80%も出れば御の字なので、そー言うもんだと思っておこう。
今までは通話とメールくらいだったので、単発的にトラヒックが発生するだけだったので何も問題なかった。
ところがスマートフォン普及して、パソコンを持たないユーザがパソコン代わりに、大量のトラヒックを継続的に発生させるようになったからさあ大変。
で、有線だと、回線容量足らなくなれば、もう一本、線路を引けば良い。線路を引く金さえ有れば、いくらでも増やせる。
でも無線だとそういうわけにはいかない。空間は一つしか無いので有線みたいに、空間を増やすって訳にはいかない。
そーなると、1基地局の収容端末数を減らすしか無いのだ。それには基地局を増やすって方法しか無い。
マイクロセル化して、基地局整備するしか無い。その基地局の設置には金が掛かる。
その原資は、顧客から徴収した回線使用料なわけだ。それを値引くと言うことは…
すなわち、auは通信事業者としての、立場を捨てて、基地局整備しませんって明言したのと同じだと言える。
無線通信ではまともに使えないので、その分値引きしますってな。
auの新サービスって昔から通信から離れたところで展開してるんだよな
ワンセグ(TV見るだけなので通信は基本発生せず)、LISMOってオーディオ配信(PCでダウンロードして携帯へ転送)、Run&Walk(携帯を万歩計化)とかとか、鳴り物入りで出てくるサービスって端末だけで完結する機能が非常に多い
大体通信事業者って、値引きできるような余裕無い筈なんだけど
大概の場合、以下のような事業スキームの筈なので
・ 0年目、第1世代通信サービス導入、設備投資して、サービススタート
・約3年目、人口カバー率が75%越えたあたりから、真っ当に商売出来る。
・約6年目、設備投資して、人口カバー率99%を達成、普及期へ(このあたりから原価償却開始)
・約8年目、第2世代通信機器への投資開始
・約10年目、第2世代通信サービス(人口カバー率75%)への移行開始
・約13年目、第2世代通信サービス普及期へ
・約15年目、第1世代と第2世代の端末数が逆転
・約18年目、第1世代通信端末がピークの10%以下に(設備維持で赤字)・第3世代通信サービス導入開始
・約20年目、第1世代通信サービス終了
以下繰り返し
まぁ、今使ってる通信規格ってのは20年使えて、10年おきに次世代通信サービスが出てくると思えば良い。
で、大体、5年目から15年目くらいの10年間そのサービスがまともに使えるって感じ。
例えばDoCoMoのFOMAは2020年くらいには役目を終えて終了すると思う。その頃には第5世代サービスが開始されてると思うけど。
と言うわけで、設備投資を諦めた時点で、終わりだし、減価償却後の資産を使って安く提供するってスキームも事実上取れない。
通信事業って完全な自転車操業だからな。次世代通信技術に対応できなくなった時点で、会社ごと転ける
次世代サービスを入れずに安く提供する事を打ち出したTU-KAがどうなったかって事だ。